fmmkblg

| LOVE | TOPIC | LOG | LINK | ME | OTHER |
#猫撫で師
猫撫で師の資格を取った。「猫撫で師」という資格があること自体、ぼくは知らなかった。猫撫で師のことは、飼っている猫のモコから教えてもらった。彼女は言う。
「仕事辞めて暇なんだったら、資格のひとつも取るべきよ。資格があるのとないのじゃ就職に差が出ることくらい、あなたも知っているでしょう? そうだ、せっかくだったら資格を取るのは猫撫で師がいいわ。まだまだ認知度が低いから、猫撫で師の資格があれば就職には絶対的に有利よ」
「猫撫で師?」
「知らないの? 猫を撫でる専門のヒトのこと」
「初めて聞いた」
「まったく、こういう情報に疎いのねえ」
「猫撫で師は猫撫でてどうするの?」
「猫撫で師が撫でると、猫は気持ちよくなってとてもいい声で鳴くの」
「それで?」
「それだけよ」
かくしてぼくは、猫撫で師の資格を取るべく、彼女に教えを乞うことになった。

モコがとりあえずこうべを垂れ、ぼくはとりあえず首のあたりを撫でてみる。撫でるというか、掻いてあげるという感じ。するとモコは、そこじゃないと言わんばかりに自分で頭を動かして、ぼくの手が頭頂部に来るように導く。
「だめねえ」
モコが言う。
「猫撫で師になるのなら、猫がどこを撫でてほしいのか、きちんと想像しなきゃ」
ぼくは頭を撫でてやる。彼女の毛はもこもこしていて手触りがいい。それでモコという名前をつけたのだけど。撫で続けていると、モコがまた頭を動かす。
「いつまでも同じところを撫でてほしいと思ってると思う?」
モコはいつも上からものを言う。猫と暮らすのはモコで3匹目だけど、彼女がいちばん偉そうだ。偉そうなのに、平気でゴミを漁ったりするから、プライドが高いのか低いのかわからない。

彼女の指導が1か月くらい続いたある日、いつものように布団に入り、モコも続いて布団にもぐってきたので、頭や首すじをこちょこちょと撫でてやったら、彼女は「んー」と言ったあと、すぐに眠ってしまった。翌朝、モコに「昨日の撫ではとてもよかったわ。猫撫で師合格よ」と言われた。ぼくは一応よろこび、モコを撫でた。モコは続ける。
「でもあたし以外撫でちゃだめよ。わかった?」
ぼくは苦笑しそうになるのをこらえながら、もちろんわかってるよと答える。
2014.12.26 Friday ... comments(0) / trackbacks(0)
#スポンサーサイト
2018.07.27 Friday ... - / -
Comment








Trackback
Trackback URL: http://fmmzk.jugem.jp/trackback/601
<< NEW | TOP | OLD>>